質問者
大和田社長の会社では、インターネット上の風評被害・誹謗中傷の対策をなさっていると聞いています。
実際に、相談にこられる方の中でもネット上で「炎上」してしまった方も多いのではないでしょうか。
今日は、実際に現場を知っているひとりの専門家として、「ネット炎上」についてお伺いできればと思います。
まずは、「ネット炎上」が起こった企業・個人に共通していることを教えていただけますでしょうか?
大和田
理由として共通しているものはありません。
しかし、個人・企業問わず、まさか炎上するとは思っていないような些細な事が炎上に至っているケースが多いです。
質問者
状況や環境は様々だけれども、些細なことがきっかけで炎上に至っていると。
例えばどういうことがきっかけとなるのでしょうか?これは驚いた!というような事例はありますか?
大和田
実は思い出深いケースが過去有ります。
一般の主婦の方が、個人的にブログを書かれており、日常の食事やら生活やらを日記として書かれていました。
一気に結論に行きますと、最終的にはお名前から住所、旦那さんの職業や勤め先まですべての情報がネットに出回ってしまいました。
質問者
こう言ってはなんですが、芸能人でもなく何の変哲もないただの一般ブログですよね。
政治的な主義主張が絡むわけでもない、よくある日記のブログ…
これが、最終的には「さらし」にあってしまったということなのでしょうか?
ある日突然、前触れもなく炎上したのでしょうか?
大和田
前触れはありました。
とは言っても水面下で起こっていたのです。
①個人的な趣味として日常生活のブログを書いていた。
②ネット上のユーザーXが、そのAさんのブログを閲覧。
③ネットユーザーXはAさんのブログの内容が気に入らなかったのか、その内容を巨大掲示板に悪口を書き込み。
④掲示板ユーザーたちはXに共感?したのか、掲示板内で悪口をたくさん書き始める。
⑤その後、掲示板ユーザーたちはAさんのブログに粘着するようになり、ブログの写真や文章の内容から推測しAさんについて調べ始める。
⑥Aさんが書いた記事内の写真に掲示板ユーザーの一人Zが見覚えのある風景だと発見。
⑦その後、掲示板ユーザーがAさんの自宅を確認し、Zの記憶が事実であるが確認された。
⑧さらに、Z?かは特定できないが、Aさんの自宅や個人情報を表面的に特定したのち、
手段は不明だがAさんのご主人の名前や勤務先まで特定。
⑨個人情報がインターネットの世界にAさん家族が知らぬ間に拡散。
このような一連の流れで炎上しました。
質問者
巨大掲示板で自身のブログがターゲットになった話題が繰り広げられていた…ということでしょうか。
こうなると、Aさんは事前に気が付けませんよね。では、個人情報が漏れた時に「炎上した」ということに気が付かれたのですか?
大和田
気付いたきっかけは人から言われてとおっしゃっていましたが、実際のところは分かりません。
しかし、気付いたころには深刻で、かつ収集がつかないところまで来ていました。
質問者
深刻、というのは具体的にはどういったことでしょうか。もしよろしければお伺いすることは可能でしょうか?
大和田
情報が無数に拡散していた状態ですね。
例えば、対象サイトが1つとかであれば、その元を絶つことによって拡散は回避できます。
しかし、既に不特定多数のウェブサイトに対して拡散してしまっている状態でした。
質問者
情報がネット上で幅広い個所にまで拡散してしまっていたと。。
そして、ネット上に散らばっている個人情報をひとつひとつ削除していくのですよね。
こうなってしまったら、どのくらいの労力がかかるのでしょうか。
大和田
最低でも2~3か月はかかりますね。
まずは、実際に書かれている情報の場所を特定する事から始まり、拡散されている度合いに応じて実際にかかる時間が変わってきます。
リベンジポルノなどのケースですと、アダルトサイトや国内外に拡散していますから、期間としては年単位で考える必要があります。
質問者
年単位。。長期戦ですね。以前伺った際には、海外に拡散した画像を完全に消去することは困難だ、ともおっしゃっていました。
こうした炎上が、取り返しのつかないことになるケースもあるということですね。
今回お聞きした事例は、「一般の方」「ふつうのブログ」しかも、ご本人は悪意があった書き込みをしたわけでも、
常識がなかったわけでもない、ということですよね。
大和田
その通りです。
ですので、よく話題になる炎上は「社会的に問題がありそうな行為」だったり「政治的な発言」だったり、何らかの偏った情報が基本です。
しかしながら、今回例として出したケースでは、そのような事は一切ありません。
唯一あるならば、妬み嫉みでしょうか。
質問者
はじめに掲示板にAさんのブログを紹介した、ネットユーザーXや、掲示板の利用者、住所特定したZ などのからの嫉妬ですか。
一般の方でも、このような炎上に巻き込まれてしまう危険がある、ということがよく分かるケースですね。。
どうもありがとうございました。